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論文

焼もどしマルテンサイト鋼の水素昇温脱離プロファイルの二種類のトラップサイトを仮定した数値シミュレーション

土田 豊*; 海老原 健一

鉄と鋼, 103(11), p.653 - 659, 2017/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:11.38(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

低温昇温脱離解析によって得られた焼戻しマルテンサイト鋼の非常に薄い平板試料の水素熱脱離曲線に見られる単一ピークを2つのガウス分布の重ねあわせにより適切に再現した。さらに、ChooとLeeの方法を用い、それぞれのガウス分布から同定したピーク温度から、それぞれのピークに対応する水素トラップサイトのデトラップ速度定数に関するパラメータを算出した。水素拡散を無視した熱解離律則条件に基づくKissingerモデルに算出されたパラメータを組み入れ、水素熱脱離を計算したところ、それぞれのガウス分布のピーク形状を再現できることが分かった。また、同様に、算出されたパラメータを熱脱離解析に関する反応拡散方程式に組み入れ、またトラップサイト濃度を適切に設定して計算したところ、実験熱脱離曲線を再現することができた。これらの結果から、ガウス分布の当てはめで得たパラメータが妥当であることが確認され、また、2つのガウス分布に対応するトラップサイトが転位と粒界であると推定できる。

論文

Novel mechanism of antibiotic resistance originating in vancomycin-intermediate ${it Staphylococcus Aureus}$

Cui, L.*; 岩本 昭; Lian, J.-Q.*; Neoh, H.*; 丸山 敏毅; 堀川 弥太郎*; 平松 啓一*

Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 50(2), p.428 - 438, 2006/02

 被引用回数:170 パーセンタイル:97.69(Microbiology)

世界中の病院で猛威をふるうMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対して、唯一強力な効果を発揮する抗生物質であるバンコマイシンは抗生物質のエースとして知られていたが、1996年に順天堂大学の平松により、このバンコマイシンに耐性を示すMRSAが臨床的に分離され、以来世界各地で追認が続いた。現在はVISAと呼ばれるこの菌の耐性のメカニズム解明のため、反応拡散方程式を拡張した定式化を行い、平松研究室の実験データを用いた計算を行った結果、この菌の特異な耐性機構を以下のように明らかにした。(1)バンコマイシンが細胞壁を拡散する際に、「目詰まり効果」というメカニズムにより、後から来るバンコマイシンの拡散が妨げられる。(2)「目詰まり効果」と、さらに細胞壁の厚さを通常の感受性菌の1.6倍程度にする戦略の相乗効果として、細胞壁の透過に要する時間を本来数分であったものを20$$sim$$30分にまでに長引かせる。(3)この長引かされた時間を利用して、バンコマイシンが細胞壁透過後に増殖機能を破壊する以前に細胞分裂を行い、増殖継続を可能にする。以上に述べた細菌の耐性メカニズムは今まで全く知られていなかったもので、細菌の耐性メカニズムの知見を広げ、また院内感染の予防などの実用面からの研究にも役立つと考えられる。

論文

Effect of higher-harmonic flux in exponential experiment for subcriticality measurement

山本 俊弘; 三好 慶典; 外池 幸太郎; 岡本 肇*; 井田 俊一*; 青木 繁明*

Journal of Nuclear Science and Technology, 40(2), p.77 - 83, 2003/02

 被引用回数:8 パーセンタイル:49.89(Nuclear Science & Technology)

指数実験での未臨界度測定における高次モード中性子束の影響について調べた。指数実験における減衰定数を固有値とする中性子拡散方程式に対する高次モード解析手法を開発し、高次モードに対する固有値及び固有関数を求められるようにした。指数実験における3次元の中性子束分布を高次モード中性子束の重ね合わせで再現することを試みた。TCA (Tank-type Critical Assembly)での未臨界の矩形の燃料棒配列において指数実験を行い、中性子源位置を何箇所かに変えて、垂直方向の中性子束分布を数箇所に配置した検出器で測定した。この指数実験での高次モードの固有値と固有関数を計算し、垂直方向の中性子束の再現を行った。その結果、燃料棒配列内または水反射体領域でも燃料棒配列に近いところでは、少数次の高次モード中性子束でよく再現できた。この高次モード解析手法を用いることで、高次モードの影響の評価や垂直方向の中性子束の測定結果から基本モードを抽出することが可能となる。さらに、高次モード解析によって指数実験における中性子源や検出器の適切な配置を決めることが容易にできるようになる。

報告書

高温下におけるキャビティ生成・成長の加速・抑制因子; 数値計算による成長シミュレーション

向井 将一; 上野 文義

JNC TN9400 2000-017, 10 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-017.pdf:0.58MB

キャビティの生成・成長挙動に関する研究は,クリープ試験により得られた破断後の試験片の破面観察,あるいは中断試験で得られた試料を観察することにより行われることが多いが,結晶粒界上に発生した1ミクロン程度のキャビティの成長挙動を連続観察により経時的に把握することは容易ではない.数値計算によるシミュレーションは観察が困難な材料内部の局所的な挙動を連続的に追跡できるため,キャビティの成長挙動を検討する上で有効な手段となることが考えられる.本研究では,結晶粒界上に発生したキャビティの成長挙動について拡散方程式を用いた数値シミュレーションを試み,表面拡散/粒界拡散,応力等の因子がキャビティの成長におよぼす影響について以下の知見を得た.(1) 粒界拡散が表面拡散に比べ十分大きい場合には,キャビティはき裂形状に遷移する.一方,表面拡散が粒界拡散に比べ十分大きい場合には,キャビティは初期形状を保ちながら成長する.(2)粒界拡散が表面拡散に比べ十分大きい場合には,粒界に作用する垂直応力に誘起された粒界拡散によりキャビティ先端部付近の成長速度が著しく加速される.(3)表面拡散が粒界拡散に比べ十分大きい場合には,キャビティ表面での化学ポテンシャルの分布はほぼ均一であるが,粒界拡散が表面拡散に比べ大きくなるにつれて,キャビティ先端部での化学ポテンシャルの勾配が大きくなる.

論文

3次元中性子拡散ノード法コードMOSRA-Lightの概要

奥村 啓介

RIST News, (29), p.10 - 16, 2000/03

MOSRA-Lightは、4次の多項式展開ノード法に基づく定常3次元中性子拡散計算コードである。ノード法はメッシュ分割の大きさに敏感でないため、中性子の平均自由行程が短い体系であっても20cm程度の粗いメッシュを使用して正確な計算が可能である。その結果、3次元問題においては未知数の数が格段に少なくなり、非常に高速な計算が可能となる。さらに、本コードでは、新たに開発したベクトル計算機に適した「境界分離チェッカーボードスウィープ法」を採用している。この手法は、問題の規模が大きくするほど高速化法も増大する特長がある。ベクトル化とノード法の両効果を併せると、有限差分法に基づくスカラ計算コードの1000倍以上の高速計算が可能となる。本報では、したMOSRA-Lightコードの機能と高速化手法について紹介する。

報告書

人工バリア中の核種移行挙動に関する研究(II)

大橋 弘士*; 佐藤 正知*; 小崎 完*

JNC TJ8400 2000-018, 79 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-018.pdf:2.09MB

地層処分の安全評価のための基礎的研究として、粘土緩衝材中の核種の拡散挙動およびオーバーパックの腐食に関連した研究を行った。緩衝材中の核種の移行挙動に関する研究では、ベントナイトの主たる構成鉱物であるモンモリロナイトに対して、水で飽和した状態の圧密試料の底面間隔ならびに含水率を求めた。また、Na+、Sr2+、Cs+、Cl-イオンの見かけの拡散係数およびそれらの活性化エネルギーを異なった乾燥密度において決定した。得られた活性化エネルギーは乾燥密度の増加とともに増加する傾向を示した。これは、圧密モンモリロナイト試料中のイオンの拡散機構が乾燥密度の増加にともなって変化していることを示唆している。ここでは、これらの活性化エネルギーの変化を合理的に説明するために、支配的な拡散プロセスが乾燥密度の増加によって細孔拡散から表面拡散へ、さらに表面拡散から層間拡散へと移り変わるとした複合的な拡散モデルを提案した。Na型モンモリロナイトは、粘土緩衝材に地下水やセメント構造材などからもたらされたCa2+イオンとイオン交換することによって変質することが考えられる。この変質がイオンの拡散挙動に及ぼす影響を評価することによって変質することが考えられる。この変質がイオンの拡散挙動に及ぼす影響を評価するため、Na/Ca混在型モンモリロナイト中でのNa+およびCs+イオンの見かけの拡散係数とそれらの活性化エネルギーを調べた。その結果、Ca型化によるベントナイトの変質は、Na+およびCs+イオンの見かけの拡散係数ならびに拡散の活性化エネルギーに影響を及ぼすことが明らかとなった。こうした影響は、細孔拡散のみでは説明できず、複合拡散モデルによってもっとも合理的に説明されることが示唆された。ベントナイト中でのオーバーパックの腐食挙動を理解するため、ベントナイト中に存在する黄鉄鉱の乾燥中の酸化挙動を調べた。ベントナイトの乾燥に伴って、ベントナイト中の黄鉄鉱量の減少、ベントナイト懸濁液のpHの低下ならびに硫酸イオン濃度の増加が認められた。これは、乾燥中において黄鉄鉱の酸化が徐々に進行することを示している。一方、ベントナイトの乾燥時間の増加に伴い、ベントナイト中の鉄の平均腐食速度ならびに腐食生成物の見かけの拡散係数が増加することが明らかになった。これらは、黄鉄鉱の酸化に伴うpHの低下に起因していると考えられる。

報告書

溶存水素ガスの拡散移行に関する研究(概要)

村上 文啓*; 太田 正博*; 鈴木 雅之*; 樋口 和弘*

PNC TJ1277 98-002, 74 Pages, 1998/02

PNC-TJ1277-98-002.pdf:3.05MB

炭素鋼オーバーパックの腐食によって発生する水素ガスが、ベントナイト緩衝材中の間隙水に溶存した形態にて拡散移動していく現象を把握するため、諸外国において提案されている代表的な拡散試験方法について調査した。その結果、溶存水素ガスを対象としたベントナイト中のみかけの拡散係数は1$$times$$10-11$$sim$$1$$times$$10-9m2/sであることがわかった。また、拡散方程式を用いた溶存水素ガスの移動量について解析・評価を行い、試験装置の設計検討に反映させるためのシミュレーションを実施した。その結果、みかけの拡散係数を2$$times$$10-12$$sim$$2$$times$$10-10m2/s、水素発生速度を2.7$$times$$10-2$$sim$$2.7Nm3/yとした場合、みかけの拡散係数が大きく水素発生速度が小さい場合には、オーバーパック周辺でのガス蓄積はなく、拡散支配であることがわかった。また、みかけの拡散係数が2$$times$$10-11m2/sの場合、水素発生速度が0.0181Nm3/y以下であればガス蓄積はなく、拡散支配となることがわかった。さらに、これらを踏まえて、我が国のベントナイト材料を対象とした拡散試験手法を選定し、試験装置の設計検討を実施した。

報告書

溶存水素ガスの拡散移行に関する研究

村上 文啓*; 太田 正博*; 鈴木 雅之*; 樋口 和弘*

PNC TJ1277 98-001, 204 Pages, 1998/02

PNC-TJ1277-98-001.pdf:6.59MB

炭素鋼オーバーパックの腐食によって発生する水素ガスが、ベントナイト緩衝材中の間隙水に溶存した形態にて拡散移動していく現象を把握するため、諸外国において提案されている代表的な拡散試験方法について調査した。その結果、溶存水素ガスを対象としたベントナイト中のみかけの拡散係数は1$$times$$10-11$$sim$$1$$times$$10-9m2/sであることがわかった。また、拡散方程式を用いた溶存水素ガスの移動量について解析・評価を行い、試験装置の設計検討に反映させるためのシミュレーションを実施した。その結果、みかけの拡散係数を2$$times$$10-12$$sim$$2$$times$$10-10m2/s、水素発生速度を2.7$$times$$10-2$$sim$$2.7Nm3/yとした場合、みかけの拡散係数が大きく水素発生速度が小さい場合には、オーバーパック周辺でのガス蓄積はなく、拡散支配であることがわかった。また、みかけの拡散係数が2$$times$$10-11m2/sの場合、水素発生速度が0.0181Nm3/y以下であればガス蓄積はなく、拡散支配となることがわかった。さらに、これらを踏まえて、我が国のベントナイト材料を対象とした拡散試験手法を選定し、試験装置の設計検討を実施した。

報告書

ヨウ素の不活性ガス中拡散係数測定試験(III)

佐川 憲彦*

PNC TJ9613 97-002, 95 Pages, 1997/10

PNC-TJ9613-97-002.pdf:2.22MB

希ガス中におけるヨウ化セシウム蒸気の拡散係数を、Stefan法を改良した方法を用いて測定した。拡散カラム底部でヨウ化セシウム結晶を溶融し、拡散カラム中の希ガスをヨウ化セシウム蒸気で飽和にし、拡散カラム頂部のバルブを開いて、拡散して来る蒸気を搬送ガスによってイオン化センサーに導いた。ヨウ化セシウム濃度をイオン化センサーで連続測定し、その出力電流の過渡応答を解析することにより、拡散係数を測定した。アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガス中において631$$sim$$691$$^{circ}C$$の温度範囲で求めたヨウ化セシウム蒸気の拡散係数には、温度上昇とともに増加する傾向が認められるが、それぞれのガス中の拡散係数には有意な差は認められなかった。

報告書

直方体タンク液面傾斜に伴う幾何学的バックリングの境界要素解析(受託研究)

山根 祐一; 三好 慶典; 佐橋 直樹*

JAERI-Tech 97-039, 16 Pages, 1997/08

JAERI-Tech-97-039.pdf:0.68MB

直方体タンク液面傾斜に伴う幾何学的バックリングの変化を3次元境界要素法を用いて解析した。液位がHのとき、タンク底面の長さlの辺の方向への液面傾斜により、H/l$$>$$0.5であれば幾何学的バックリングは増大し、H/l$$<$$0.5であれば減少する。また、タンク底面の長辺の長さLに対するHの比がおよそH/L$$>$$0.5であれば、短辺の長さや傾斜方向によらず、液面傾斜により幾何学的バックリングは増大する。底面が正方形であれば、液面傾斜の効果は傾斜方向に依存しない。定常臨界実験装置STACYの280T平板タンク(70cm$$times$$28cm)においては、液位が40cm以下では臨界にならないように運転される。この炉心形状においては、液面Hが35cm程度より高ければ液面によって反応度は減少する。

報告書

円筒タンク液面傾斜に伴う幾何学的バックリングの境界要素解析

山根 祐一; 板垣 正文; 佐橋 直樹*

JAERI-Tech 96-018, 14 Pages, 1996/05

JAERI-Tech-96-018.pdf:0.6MB

円筒タンク液面傾斜に伴う幾何学的バックリングの変化を3次元境界要素法を用いて解析した。円筒形状において液面傾斜がバックリングに与える効果は円筒の直径Dと高さHの比に依存する。閾値H/D~0.454が存在し、H/Dがこれより大きい場合バックリングは液面傾斜とともに単調に増加する。H/Dがこれより小さい場合、バックリングは液面傾斜とともに単調に減少し、これに伴って反応度が増加する。定常臨界実験装置STACYにおいて運転条件下の液面傾斜の効果は反応度を下げるように作用することが確認できた。このような系統的な解析に、境界要素法が有効であることがわかった。

報告書

ニアフィールド核種移行に関する概括的感度解析手法の高度化(概要)

not registered

PNC TJ1281 96-005, 75 Pages, 1996/03

PNC-TJ1281-96-005.pdf:2.97MB

高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価には、多様な不確実性が含まれる。この不確実性の種類を性能評価の手順に則して分類すれば以下の様なものを挙げることができる。(1)処分された廃棄物中の放射性物質が人間に影響を及ぼす過程あるいはこの影響程度を規定する環境条件の将来の変遷に関係するFEPs(Features,Events and Processes)と、これらの組み合わせの選定についての不確実性(シナリオ不確実性)(2)選定された個々のFEPs、及びFEPs間の相関についての具体的な現象理解とその数学的な定式化に関する不確実性(モデル不確実性)(3)定式化された数学モデルを用いて解析を行う際の入力データの選定に関する不確実性(パラメータ不確実性)上記のいずれ(FEPs及びこれらの組み合わせの選定、モデルの作成、及び入力データ値の選定)においても、選択の可能性は複数存在しており、しかも評価対象となる時間・空間スケールの大きさに起因する観察結果や経験の不足のために、いずれの選択肢を採ることが適切かを判断する際に主観的な要素の介入を完全に排除することは極めて困難である。このことは、これら複数の選択肢からの選択の問題が一意的には行われ得ないことを意味し、つまり、性能評価の結果に何がしかの不確実性の影響が含まれることは不可避であると考えなければならない。

報告書

不均質媒体中の物質移動解析手法及びFP元素の移行挙動に関する研究(研究委託内容報告書)第1分冊 不均質媒体中の物質移動解析手法

高瀬 博康*; IMPEY*; EINCHCO*; 深谷 友紀子*

PNC TJ1281 96-001, 158 Pages, 1996/03

PNC-TJ1281-96-001.pdf:10.72MB

放射性廃棄物地層処分システムの性能を測る尺度として最も重要なものの一つは、処分場から放出された放射性核種の生物圏への最大放出率である。また、この最大放出率は実際には少数の支配的な移行経路によって規定される場合が多いことが広く認識されつつある。従って、顕著な不均質性を有する透水係数場、特に地下水流動におけるいわゆるチャンネリング挙動を支配すると考えられる透水係数の空間的な相関構造を正確に把握することが極めて重要な課題となる。しかしながら、地層の有する不均質性を詳細に知るという必要性は、サイト全体を網羅して実施可能な透水係数測定の点数に必然的に限りがあることと明らかに矛盾するものであり、この様な情報の不足に起因する推定の自由度あるいは不確実性の存在は良く知られた「逆問題」において系の状態が不定になるという状況を作り出す。この様な困難を打開するためには、不確かさを網羅する多数の統計的なRealizationを作成することを可能とするテンプレートの使用が不可欠である。これまでに開発・適用されてきた種々の地質統計学的な手法は、透水係数の空間的な自己相関係数モデルという型式でこの様なテンプレートを提供しようとするものである。本研究で用いる自己アファインフラクタルモデルはこの様な地質統計学的モデルの一種であり、バリオグラムと呼ばれる統計量の空間的なスケール特性をべき乗則で与えるものであることが特徴である。

論文

Application of time-dependent boundary-fitted curvilinear coordinate system for kinetic analysis of aqueous fuel solution sloshing behaviour

山本 俊弘

Nucl. Eng. Des., 154(2), p.145 - 155, 1995/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:17.53(Nuclear Science & Technology)

移動境界を持つような炉心の動特性解析に、時間依存バウンダリフィット曲線座標系を適用した。時間依存2群、二次元の中性子拡散方程式を解くことにより、溶液燃料(硝酸ウラニル及び硝酸プルトニウム)のスロッシング時の動特性解析を行った。計算はすべて不規則な溶液形状を直交座標系上に変換して行った。スロッシングによって燃料が移動するようなことがあっても、自由液面の形状は概して凹形となる。自由液面が平坦に戻ろうとするときに、液面はわずかながら凸形になり、この時に正の反応度が印加される。この正の反応度は、大きさ、あるいは持続時間が十分でなく核暴走には到らない。

論文

Optimal geometry for fuel solution sloshing based on boundary perturbation theory

山本 俊弘; B.Basoglu*

Annals of Nuclear Energy, 22(10), p.649 - 658, 1995/00

 被引用回数:5 パーセンタイル:49.5(Nuclear Science & Technology)

溶液燃料のスロッシング時の変形の際のkeffを最大化する最適形状を求める手法を開発した。「境界インポータンス」なる概念を境界摂動理論より導き出した。最適形状はこの「境界インポータンス」を境界に沿って一定にすることで達成される。例としてこの手法を二次元スラブ体系の溶液燃料に対して水反射体がある場合、ない場合とに適用した。任意形状上での中性子拡散方程式はバウンダリフィット曲線座標変換法によって解かれる。最適形状及びそれによる最大反応度を溶液高さの横幅に対する比(y/x比)の関数として求められた。裸の溶液燃料でy/x比がある閾値より小さい場合、円以外の最適形状は存在しない。水反射体のある場合では閾値よりもy/x比が小さくても左右非対称に変形することで最適形状は達成される。

論文

Boundary element method for criticality safety analyses

板垣 正文

ICNC 95: 5th Int. Conf. on Nuclear Criticality Safety, 1, p.6.25 - 6.31, 1995/00

境界要素法は不規則または複雑な幾何形状を持つ体系の臨界問題に適用した場合に真価を発揮する。境界要素法では体系の境界のみを離散化し、領域内部をメッシュ分割しないので入力データの作成のみならず修正が容易であり、パラメータサーベイに向いた計算法である。中性子拡散方程式に対応する境界積分方程式には元々、核分裂中性子源に起因する領域積分が含まれるが、最近の多重相反法という新しい考え方を導入することによって等価な境界積分に変換できるようになった。また、中性子源反復計算の過程で実効増倍率そのものも境界積分だけを使って計算する方法が考案された。これらの研究成果により領域のメッシュ分割が全く不要となり、境界要素の持つ本来の利点が最大限に活かせるようになった。主に2次元問題における数値技法、テスト計算を中心に議論を進めるとともに、研究進展中の3次元境界要素法にも触れる。

論文

多重相反境界要素法による3次元核分裂中性子源反復計算

板垣 正文; 佐橋 直樹*

境界要素法論文集第11巻, 0, p.13 - 18, 1994/12

境界要素法を用いて3次元中性子拡散方程式を解くにあたり、核分裂中性子源に起因する非斉次領域積分項を等価な境界積分に変換するために多重相反法を用いた。2次元問題では1次以上の高次基本解に特異性がなかったが、球Bessel関数を使った3次元高次基本解は、いかなる次数でも1/rの特異性を持つ。このため、多重相反による境界積分は高次基本解の次数に応じた特異点定数を含む。中性子源反復計算において、臨界固有値は中性子流の境界積分による漸化式で求まるので、結局、領域の内部を一切メッシュ分割する必要がない。一辺50cmの立方体で、隣接し合う3面に零中性子束、残り3面に零中性子流境界条件を与え、多重相反境界要素法による中性子源反復計算を行った。Wielandtの原点移動法を併用すると安定収束が保証され、かつ、極めて速く収束する。臨界固有値の計算値と真値との一致は極めて良好である。

論文

3次元多群中性子拡散方程式における減速中性子源の境界積分表示

佐橋 直樹*; 板垣 正文

境界要素法論文集第11巻, 0, p.7 - 12, 1994/12

3次元中性子拡散方程式に対応する境界積分方程式で中性子源項は一般に領域積分となり、このままでは積分のため領域内部をメッシュ分割する必要がある。しかし、一様中性子源と減速中性子源については、各々、Gaussの発散定理、Greenの第2公式と中性子拡散方程式の性質を使って等価な境界積分に変換できる。また、エネルギー2群以上の問題や一様中性子源と減速中性子源の混在する問題にも拡張できる。本手法に基づき、アイソパラメトリック2次境界要素による3次元コードを開発した。本コードでは領域内部を一切メッシュ分割する必要がなく、また、鏡像の考えを持ち込むことで対称面に境界要素を配置しなくてよい。無限反射体で炉心/反射体境界のみを境界要素分割すればよい等の工夫が凝らされている。反射体を含む3領域問題について差分法と比較し、未知数の数が少なくても高密度の結果が得られることが示された。

報告書

ニアフィールド現象の変遷に関する動的解析手法の開発(成果概要)

高瀬 博康*

PNC TJ1281 94-008, 29 Pages, 1994/03

PNC-TJ1281-94-008.pdf:0.48MB

動的解析の手法開発として、人工バリア内が拡散支配である限り様々な条件変動やコロイド形成等の新たな現象を考えた場合にも共通して適用可能な広義拡散方程式を導出し、具体的なFEPsに対応するものとして、(1)瞬時平衡、線型吸着、溶解度限界モデル(2)真性コロイドモデル(3)擬似コロイドモデル(4)真性コロイド、擬似コロイド共存モデル(5)非線型吸着モデル(6)水理・化学条件の時間・空間的変化を考慮したモデル(7)沈殿・溶解反応の速度論的表現を加えた真性コロイド、擬似コロイド共存モデルを作成した。統計的解析としては、標準ケースからのモデル及びパラメータの変動を統計的に作成した感度解析を行った。この結果に基づき、決定論的感度解析の網羅性を補完するものとしての位置付けが明らかとなった。特に、人工バリア周辺の地下水条件が一定期間より好ましいものとなりその後に元の状態に戻った場合、ゆるみ域が核種についての化学的シンクとなり、一旦ここに沈殿した核種が条件復帰後に一気に放出されることにより、元の化学条件では見られない過渡的なピーク放出率が現れることが示された。この様な効果は、従来の決定論的な思考では見落とされていたものであり、二つの手法を併用することの利点を示す例と言うことができる。以上の結果から、人工バリアの長期的挙動に関して予想される幅広い前提条件と多岐にわたる現象を共通の手法で網羅するものとして本研究で開発した動的解法手法が有効であることがわかった。

報告書

ニアフィールド現象の変遷に関する動的解析手法の開発

not registered

PNC TJ1281 94-007, 235 Pages, 1994/03

PNC-TJ1281-94-007.pdf:4.93MB

動的解析の手法開発として、人工バリア内が拡散支配である限り様々な条件変動やコロイド形成等の新たな現象を考えた場合にも共通して適用可能な広義拡散方程式を導出し、具体的なFEPsに対応するものとして、(1)瞬時平衡、線型吸着、溶解度限界モデル(2)真性コロイドモデル(3)擬似コロイドモデル(4)真性コロイド、擬似コロイド共存モデル(5)非線型吸着モデル(6)水理・化学条件の時間・空間的変化を考慮したモデル(7)沈殿・溶解反応の速度論的表現を加えた真性コロイド、擬似コロイド共存モデルを作成した。また、この解析手法を実用に供するため、汎用DAEソーバーSPADEとグラフィカルユーザーインターフェイスSAMGUIを改良した。主たる改良点は、(1)SPADEの自動差分化機能の追加、方程式入力フォーマットの簡単化、リスタート機能、及び多数回の計算を一括処理するためのユーティリティプログラムの付加(2)SAMGUIへのデータ移送と抽画の自動化である。ZJ1281 94-007(成果報告)ZJ1281 94-008(成果概要)

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